「目も開いていない小さな子猫を拾ってしまった」。どうすればいいのか分からないまま、このページにたどり着いたのではないでしょうか。
「どうしよう、どうしたらいいの」。まちがった処置で死なせてしまわないかと、不安でいっぱいですよね。その気持ち、よく分かります。
大丈夫です。やることは決まっています。順番に進めていきましょう。
【この記事について】
この記事は、ぷここん家がこれまで500匹以上の猫を保護してきた中での、子猫保護の体験談をまとめたものです。私たちは獣医師ではありません。まずは動物病院に連れて行くことを最優先にしてください。疑問に思ったことは自己判断せず、猫ちゃんの様子が少しでもおかしいと感じたら、すぐに動物病院で獣医師の指示を仰いでください。
動物病院にすぐ行けないときの応急処置(4ステップ)
次の応急処置を、この順番で行います。
- 最優先は保温。ドライヤーやタオルでやさしくこすって、体温を上げる。
- 体温が上がったら、おしっこを出させる(自分では出せないため)。
- 砂糖水かブドウ糖を少量あげて、低血糖を防ぐ。そのあと子猫用ミルク。
- できるだけ早く、動物病院で処置を受ける。
① まず「保温」。タオルでこすって、体温を上げる
生まれて間もない子猫は、自分で体温を保てません。体が冷えると、ミルクを飲みこむ力もなくなり、命に関わります。
私たちはドライヤーの温風をあてながら、タオルで体をこするようにして温めました(低温やけどには注意)。ペットヒーターやカイロ、湯たんぽを使ってもOKです。カイロや湯たんぽはタオルで包んで、直に触れないようにしてください。
ぐったりしている・体が冷たいときは、温めながら動物病院へ。できれば向かうあいだも、タオルでこすり続けてください。
② 体が温まってきたら、排泄を促す
生まれたばかりの子猫は、自分ではおしっこ・うんちができません。本来は母猫がなめて出させています。
母猫と離れて時間がたった子は、排泄がたまったままになっている子もいます。出せないでいると、膀胱が破裂してしまうことさえあります。
やり方は簡単です。ぬるま湯でしめらせたティッシュやコットンで、陰部をやさしくチョンチョンと刺激する。それだけで自然に出てきます。出ないときは、まず体をさらに温めてください。
食後も毎回、同じように出させます。基本は「飲んだら出る」です。
③ 最初のひと口は、ミルクより「砂糖水」
弱った子猫は、低血糖を起こしていることがあります。そこで、ミルクの前にまず砂糖水です。
少し濃いめの砂糖水を、シリンジ(針のない注射器)やスポイトで飲ませます。量は0.2〜0.3mlくらい、本当にちょっとだけ。砂糖のかわりに、ブドウ糖やガムシロップを水にとかして使ってもかまいません。
ゴックンと飲めたら、ミルクに進みます。砂糖水で低血糖がおさまって、そこからミルクを飲み始める子も多いです。
⚠ 牛乳は絶対にあげないでください。人間用の牛乳は子猫が消化できません。ひどい下痢を起こし、命に関わります。必ず子猫用ミルクを使ってください。
④ ミルクはシリンジで少しずつ、姿勢に注意
子猫用ミルクを人肌(約38度)に温めます。私たちの経験上、哺乳びんだとあまり飲んでくれない子が多いので、シリンジやスポイトで、むせない程度に少しずつ。口にたらして、含ませる感じです。
姿勢は、基本は自然なうつ伏せで。飲まないときは、ほぼ立たせるような状態にします。床に座って、手のひらで子猫の体を起こし、正面を向かせて飲ませると、よく飲んでくれます。

⚠ 仰向けで飲ませてはいけません。人間の赤ちゃんと同じ格好で飲ませると、ミルクが気管に入る「誤嚥(ごえん)」を起こし、肺炎で命を落とすことがあります。口へむりやり流しこむのも、同じ理由で危険です。
⑤ ミルクの回数・頻度は?月齢別の目安表
| 月齢 | 授乳の間隔 |
|---|---|
| 生後0〜1週 | 2〜3時間おき(夜中も) |
| 生後1〜2週 | 3〜4時間おき |
| 生後2〜3週 | 4〜5時間おき |
| 生後3〜4週 | 5〜6時間おき |
| 生後4週〜 | 離乳食が中心へ(ミルクは補助に) |
授乳の頻度は、表のとおり月齢がおおまかな目安です。ただ、基本は「泣いたらあげる」。お腹が空いて泣いているのかどうかは、何回かやっているうちに分かってきます。
1回の量は、使うミルクのパッケージの「体重別の目安」どおりに。製品ごとに濃さがちがうためです。体重をはかるときは、1g単位ではかれる体重計があると正確です。
よく飲む子は、飲んだあとにお腹がぷっくりします。ただ、人間と同じで「ちょこちょこ飲み」の子もいます。そういう子には無理に飲ませず、1時間おきなどに小分けしてあげてください。
目安の量に届かない子は、生後3週を過ぎても3時間おきにあげることがあります。その子のペースに合わせて大丈夫です。
⑥ ミルクを飲まないときは?
「ミルクを飲んでくれない」。正直、よくあります。
私たちの経験上は、シリンジやスポイトが最も効果的でした。無理やり流しこむのは絶対にだめですが、そこに注意して、体温と排泄が適切であれば大体飲んでくれます。
また、猫にもミルクの好みがあるのか、ミルクの種類を変えると飲んでくれることもあります。
それでも半日近く何も飲まない・ぐったりしているときは、すぐ動物病院へ。
⑦ よちよち歩きを始めたら、トイレと離乳食
おしっこ・うんちのお世話が必要なのは、よちよち歩きだす生後2〜3週ごろまでです。
しっかり歩けるようになったら、早めに小さなトイレと猫砂を用意してください。置いておくと、自分でするようになります。
離乳食は生後3〜4週ごろ、歯が生えてきたら。子猫用ミルクでふやかした子猫用フードを、なめる程度から少しずつ始めます。
⑧ 動物病院に行くサイン
次のサインがあれば、様子を見ずに受診してください。
- ぐったりしている。
- ミルクをどうしても飲まない。
- 排泄が1日以上ない。
- いつもと様子がおかしい。
素人判断で様子を見るのが、いちばん危険です。迷ったら病院へ。それがその子を守る近道です。
子猫の保護に必要なものリスト
少し落ち着いたら、そろえておくと安心な「必要なもの」の一覧です。
- 子猫用ミルク
- シリンジ(針のない注射器)かスポイト
- 保温グッズ(ペットヒーター・カイロ・湯たんぽ)
- 1g単位ではかれる体重計(ミルクの量は体重で決めるため)
- ペットシーツ、コットン、ティッシュ
- 砂糖水の材料(砂糖・ブドウ糖・ガムシロップのどれか)
- 小さなトイレと猫砂(生後2〜3週から)
ここまでのまとめ
- 手順は、保温→排泄→砂糖水→ミルク。そして、できるだけ早く動物病院へ。
- ミルクはシリンジで少しずつ。基本はうつ伏せ、飲まないときは立たせ気味に。牛乳・仰向け・流しこみは危険。
- 回数は月齢を目安に、その子のペースで。
- 歩きだしたら、トイレと離乳食の準備。
- 迷ったら、すぐ動物病院へ。
さいごに
子猫の保護は、本当に大変です。助けるからには、お世話をする責任も同時に生まれます。ペットの飼育には、当然ながらお金もかかります。
私たち一人ひとりができる保護活動のあり方を探して、今後も活動していきたいと思っています。

